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飲食業界・ホールスタッフ兼清掃員・20代前半・男性

私は大学を卒業してすぐにホテルに付属した飲食店に就職しました。労働時間は夕方から翌朝までの最低10時間労働。人数はぎりぎり足りないくらいの設定でシフトが組まれていて上司の教え方が悪くいきなり何度も怒られるような事態になりましたが大変な思いも慣れるまでの間だけだと最初は言い聞かせていました。
この仕事が人生で初めての仕事であったため労働条件に関することや賃金、待遇についての知識はなくピンキリあるんだろうけどこういうのはまあ普通なんだなと思いながら働いていました。

 
最初に違和感を感じたのは初めてもらった給与明細。
毎日残業しているのに残業代の部分が空欄。しかも書かれている出勤日数が実際の出勤日数より少ないんです。
このことを上司に聞いてみたところ「調整しているからこれが普通だよ。」というような返答をされました。
他の先輩などにも聞いて回ってみたのですが「こういうものだよ。」というような返事が大半でみな大した反応をしませんでした。私はこの状況に首をかしげつつもその時はこういうものなのかと納得しました。

 
仕事を始めてから3か月ほどたつと徐々にシフトに週6出勤週7出勤の週が出てくるようになりました。
さすがにこれは大変だと思い上司に相談してみましたが人手が足りないということで頼み込まれて断り切れず結局出ることに。
ここできちんと断っておけば後で大変な思いをせずに済んだかもしれません。

 
仕事を初めて6か月もたつと週6週7出勤は当たり前になり特になんということもなく仕事に出続けるようになっていました。
ただ給料についての今感は消えず数か月たったある日給料について細かく計算してみたところ残業代が支払われていないどころか交通費も一部削られているような計算結果になりさすがにこれはおかしいと思って上司に聞いてみたところ「うちは年俸制だから最初に契約した金額だけ支払われる」というようなことを言われほとんど取り合ってもらえませんでした。
そこで目いっぱい抵抗していればよかったのですが毎日10時間以上の労働をしていて稀に週6週7労働もしていてさらに、支配人からは風邪を引こうが熱を出そうが絶対に休むなと言われていたのでぐったりしながら日々を送る状態を繰り返していたためあまり抵抗する気力がわかずそのうちこの怪しい状況について考えないようになっていってしまいしばらくの時間が過ぎました。

 
就職してから1年ほどで私は無の状態になっていました。
ただ仕事をして休みで家にいるときはただぼんやりしてまた仕事に行って。
昼夜逆転の生活を続けているので寝不足もひどく仕事場のキッチンで歩いているときに瞬きした瞬間眠りに落ちてキッチンシンクの角に脇腹をぶつけ痛みで目が覚め、それでもこのまま眠りたいと思ってしまうような状況が続いていました。

 
38℃の熱を出しながら出勤したこともありましたがその時のことはどうやって乗り切ったかほとんど覚えていません。
そんな状態でずっと仕事を続けているので具合が悪くない日がほとんどなく病院に行くたびに転職を勧められました。
しかしもう無の状態になっているので自分が置かれている状況が酷いとか酷くないとか考えられる状態ではなく仕事を辞めるという選択肢すら頭にありませんでした。
今考えると他の先輩たちはすでにこの状態になっていたため私が給料に関する疑問を聞いても大した反応を示さなかったんだろうなと思います。

 
よくよく考えてみれば後から入ってきた人たちやアルバイトの方はほとんどが3か月以内にやめていたので相当やばい現場だったのですが私は初めての仕事ということもあってそれに気づくのが遅れやめる前に無の状態になってしまったのだと思います。
私は笑うこともほとんどなくなり家は散らかり放題。飼っていたハムスターの手入れを忘れ死んでしまっていました。
それでも何も感じませんでした。ただ淡々とハムスターのケージを雑に片づけまたぼーっとして。
自宅の流しは汚れ放題風呂場もカビだらけ洗濯物もたまりっぱなし。
大学時代はおおむねきちんとやってきたのにいつの間にやらやらないようになり部屋が汚い状況が普通になり。
そこでの仕事についてから1年ほど過ぎた辺りから具合の悪さに拍車がかかりましたがそれでも休めなかったので仕事に出続けていたところあるとき家に帰ったら吐き気をもよおしおう吐。強い腹痛を感じそのままめまいを起こしトイレの脇に倒れました。

 
5分ほどでめまいはとれ白湯を飲んで布団に横になると疲れ切きっているのですぐに意識がなくなり眠りに落ちました。
しかし少しして強い吐き気を感じ飛び起きるとそのままトイレに駆け込みおう吐。眠ってから30分もたっていません。
まためまいを起こしトイレの横でしばらく倒れまた白湯を飲んで布団へ。
するとまた30分もたたないうちに飛び起きておう吐。
このサイクルを5時間ほど続けた時ある瞬間に頭なのかで「死ぬかもしれない。」という声が聞こえて仕事場に今日は休みますと伝え救急車を呼び病院へ。

 
お医者さんいわく過労で体が弱りおう吐による脱水で死ぬ寸前だったとのこと。
私は一日だけ休んでから仕事に復帰しましたが私が休んでから以降他の人たちも体調が悪いと休むようになりそこで支配人にこう言われました。
「お前が休んだから他の連中も休むようになっちまったじゃねえか。」
私はこの一言で目が覚め仕事を辞めることを決意しました。
あの時救急車を呼んでなかったら死んでいたんだろうなと思うと今でもぞっとします。
死ななくてよかった。