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不動産仲介会社営業・勤務当時20代前半・男性

私はある大手企業のフランチャイズ会社で不動産仲介業の営業担当として勤務しておりました。

母体の会社は、名前を出せば不動産に興味ない方でも誰でも知っているほどの大きな会社です。そこでの勤務の経験をお話させていただきたいと思います。厳しい環境だなと感じたのは、その給与体系と勤務時間、研修内容などについてです。

 

 

【給与体系】
そこの会社の給与体系はいわゆるフルコミッションと呼ばれるもので、完全出来高制となっていました。

不動産の売買に関して、自分の担当で契約がとれればその売り上げに対して一定の割合で給与が支払われます。が、もし契約が1本もとれない月があれば給与は1円も出ません。

後に述べますが給与がない月でも自費負担の経費類がかなりの額発生します。もちろん自分自身の生活もありますので、やりくりが非常に大変です。たまに大口の契約でまとまった給与を得ても、翌月以降がまた心配でお金の使い方をどうすれば良いかが難しくなります。

もちろん採用面接の時点でその給与体系は知ったうえで入社したわけですが、これが想像以上に大変なものでした。

 

 

【研修について】
この業界は未経験で入社する方が多い業界なのですが、過去の経験の有無に関係なく、全員フルコミッションの給与体系でスタートします。

一応1か月間の研修があり、その間にノウハウや知識はしっかり勉強できる…と聞いていたのですが、いざ入社してみればこれが一切研修と呼べるようなものではありませんでした。

 

たくさんの物件の資料を渡され、適当に何件か選び、そこに勝手に行ってどんなものか見て回れ。

これが1か月間続くだけのものでした。ただひたすら見るだけで、内容の報告やフィードバックは一切なし。

見に行く物件のチョイスも一任され、管理職や上司はその内容に一切関与してくれません。完全に放任される状況です。またさらに厳しかったのが、社用車にカーナビがついていないことです。確かに慣れてきてお客様を物件に案内するときなんかは、カーナビなど見ずにスラスラ行き来した方がスマートでカッコ良いですしそれが信頼にもつながるとは思うのですが、そもそも新人で土地勘もないような状況では本当に大変だと思います。

私は地元だったのでまだ良かったですが、地方から出てきて新社会人として勤務を始めた新人さんは本当に苦労していました。1件見たら地図で場所を確認して次の場所へ。

途中分からなくなるたび車を路肩に停めて地図で確認、の繰り返し。裏道などまったく知らないので渋滞にもすぐ引っかかる。

 

結局、貴重な研修の時間も無駄なドライブ時間が増えてしまうのです。最初くらい、先輩や上司が同行してあげても良いのに…と思いました。
そんな日々を1ヶ月繰り返し、結局物件をひたすら見に行っただけで不動産の知識や研修に関する研修は一切なし。独学でどうにかしてくれ、というスタンスのようでした。

 

 

【勤務時間について】
これが私は一番納得がいかず、退職を決める要因になったかもしれません。

休みは週に1日だけ、そして毎日の勤務時間は9~21時と決められていました。ものすごく長い定時ですが、そもそも給与体系がフルコミッションのため、時間の長さなどなんの関係もありません。

仮にしっかり結果を出していて給与を確保していたとしても、早めに帰ることなどは許されませんでした。

 

雇用保険もない会社ですので給与形態も業務委託契約です。自営業と同じ就業条件で勤務しているにもかかわらず、退社時刻はなぜか決まっている。しかもそれが一般の会社に比べてかなり遅い時間であること。

これが一番私を苦しめました。先に述べたように研修中はひたすら物件を見に行くだけの時間です。他の時間で知識面も勉強したかったのですが、何せ毎日21時まで勤務して休みも週1日しかない中で、その時間を作りだすのは大変でした。

研修終了後も、現場出始めでまだ担当のお客様がいなくても定時はしっかり守らないといけません。暇な時間が非常に多かったと思います。その時間に上司が何か教えてくれたり、座学研修のようなものをやってくれれば良いのに…と当時は思っていましたが、特に何かをしてくれることはありませんでした。

 

 

【経費について】
給与体系がフルコミッションですと、その他諸々の経費についての補助はほとんどありません

。さすがに営業車のガソリン代だけは全額出してくれますが、その他は一切の補助はありません。

通勤のための交通費、営業・訪問先での駐車場代、有料道路の通行費などは全額実費です。また、会社用携帯電話がなく、プライベート携帯を使わなければいけなかったのもちょっと困りました。

 

営業職ですから毎日かなりの電話をかける機会があります。お客様からの電話でも、やはりそこは気を使ってこちらからかけ直してお客様に通話料金が発生しないようにしなければなりません。おかげで毎月かなりの通話料の支払いを負担していました。今でこそ通話無料プランなんてのもありますが、当時はまだそんなものはありません。無料通話が一番多いプランにしたとしても、そんなもの軽く突破してしまいます。

 

 

私はこのとき不動産業界は初めてでしたので、他の会社さんがどのような勤務状況なのかは詳しくは存じ上げません。しかし友人の同業界の人間に私の勤務環境を話すと、皆一同に驚いていました。過酷すぎる、と。私にとってこの会社の勤務環境は入社前とのギャップが非常に大きく、大変な思いばかりがよみがえってきます。