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不動産業界・営業・20代後半・女性

そもそもベンチャー企業は創業者である経営者がワンマンになりやすい傾向がありますが、私が経験した企業の社長はとても感情的な性格で、会社全体の雰囲気を社長が作り出していました。簡単に言うと恐怖政治です。その影響はたとえ業績が上がっても、良い会社にはなりませんでした。

まず悪い結果を残した社員に対してはもちろん、会議では社長の望む答えが返ってこない場合、その社員は全員の前で立たされ何時間も怒鳴られ、殴られるなどの暴力行為を受けていました。そのせいで、他の社員の業務時間が削られ、残業が発生することもしばしば。一度目をつけられた社員は、次のターゲットが見つかるまで何かにつけ呼び出されては指導という名目で社長室に閉じ込められていました。

 

だいたいそうなった社員は辞めていくのですが、それまで仲良くしていた同僚などは自分に火の粉がかからないようその社員から離れていきます。当然、日々の業務上の小さなミスなどは部署同士や個人間で責任の擦り付け合いになり、なるだけ目立たないように淡々と仕事を行う人間ばかりでした。

また、お気に入りの人間への待遇や対応は格別で、口には出しませんが皆非常に差別感を感じていました。月に1人は辞めていく状況で、同じタイミングで新人が入ってきますが、自分の業務を完璧にこなすことが何より大事なので、新人指導や教育もままならずすぐに辞めていくという状態を繰り返していました。

 

また、辞めた人間とは連絡をとることも許されず、水面下で連絡を取っていることがバレると社長室へ呼び出されます。理由は、辞めた人間と関わることでモチベーションが下がるため、関わってはいけないというわけのわからない理由です。

社員のプライベートまで監視する環境でした。また、社長のお気に入りの人間はスパイのような役割もしており、休憩時間や飲み会での噂話から個人的な情報まで、その人間達により常に社長の耳に入っていました。

 

特に、会社の愚痴や弱音を吐こうものなら大変です。その日のうちに社長室へ呼び出され、その日のうちに退職に追い込まれる人もいました。帰り道に社内の人間にあとをつけられた女性もいます。退職後は、社長がそれぞれの部署のリーダーを呼び出し、「退職理由と退職するべき人間だった」という内容で悪口を聞かされ、自分の正当性を植え付けます。

 

これが退職者が出るたびに繰り返されるため、毎回同じような話を聞くリーダーたちも「またか・・・」という思いで、業務時間を減らしていました。退職者にはボーナスが支払われないこともあり、労基にかけこんだ人間もいます。

そのあと支払われるようになったのですが、残業代は申請をしなければならず、申請を出したら「なぜ終わらないのだ」と詰められます。日中の無駄なMTGに時間を割いているのが原因にも関わらず、結局、仕事の仕方が悪い、時間管理がなっていないなどと理由をつけ残業をさせてもらえなかったり、残業しても監視役が近くにいる状況で終わらせなければならないので、非常にやりづらかったです。

 

人事はすべて社長が行っており、その基準は単純な好き嫌いです。良いときは給料もあがり、希望の部署にスムーズに異動させてもらえますが、一度何かしらの不信感を持たれたらあっという間に別部署へ異動になります。

その不信感の原因は、社長に近い人間があることないことを社長に吹き込んでいる場合もあるので、理不尽な異動をさせられた社員も多く存在しました。なので、良い待遇で長く働きたいと思う人間は、とにかく社長とそのまわりに媚びをうることしかしていませんでした。

 

仕事のできる人間は、数字(結果)を出して、早々と転職をしていました。退職した人間の多くが経験しているのですが、転職先での情報を集められたり、SNSにスパイを入れて情報収集をしたり、退職後もしばらく関わってくる会社なのでとても気持ちが悪かったです。

 

不信感がある人間関係や、恐怖におびえながらの業務による非効率さ、いつ自分がターゲットになるかわからない緊張状態が続く毎日で、鬱診断をされたのをきっかけに退職しました。その会社で働き続ける人たちは、ブラック企業だとは思っていません。

多少の不信感はあるにせよ、基本的には、自分の能力が足りない、だとか、自分の未熟さゆえの叱咤激励であるとか、まずは自分を責め会社を肯定します。私もそうでしたが・・・。

ただ、ある程度慣れてきたら、何かおかしいぞ、もしかしてうちはブラックなのか?と思うことがあれば、自分の勘を信じて一度会社に対して冷静に考えてみることをおすすめします。

ベンチャー企業であるならなおさら、経営者の性格がそのまま教育方針や会社の雰囲気に色濃く反映されます。

私が体験した会社のケースだと、ビジネス関係にかかわらず、人に手を挙げるという行為はとても幼稚だと思います。まさに経営者の素養であり、私の場合は、社員が殴られるという場面に立ち会ったとき、非常に違和感を感じたあのときに考え直せばよかったと後悔しています。