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私が過去に正社員で入社したあるベンチャー企業の経験です。入社してややおかしいと思ったのが約1か月後、こういうものかと納得しかけたのが半年後。完全にブラック企業だと確信したのが約1年後でした。

 

まず、主にバイトの人ですが、高速スピードで入社して、雲のように消えて退職していくサイクルが何度も繰り返されました。

その理由は、給与の未払いや遅配です。去る者には給与を払わない、という嘘か本当かわからない社長の方針があり、実際にその通りに運用されていました。休みはほとんどなく、タイムカードも(ほとんど会社に泊まっているので)意味がありませんでした。

私は正社員ということでしたが、何日も徹夜、会社に寝泊まりをするのに対して一切残業代が支給されず。そのかわり、遅刻(1分単位)や昼休みの超過(1分単位)で減給などの対応が取られる、アンバランスな会社でした。

 

 

また、会社自体の業績もよく、連日テレビや新聞に取り上げられ(実際は取り上げらるようにするのが仕事でもあったのですが)ていたのに、なぜか社員の給与が払われない。

しかし、社長含め経営者は贅沢な生活をしている。これは全部、社長が会社に資金を貸し付ける、という形式にしていたからでした。つまり、社員に対しては、自身の給与は一切もらっていないと公言し、だから他の社員も我慢して欲しいという暗黙の流れがあったのですが、実際は、社長の生活費を全部必要経費にして、会社に肩代わりさせていただけでした。

また、会社自体の経営が手形、いわゆる循環経営(別会社に発注をして会計上の売り上げを上げるテクニック。)だったので、手形の決済が最優先となり、建築、主に新築やリフォームを主軸としていた本業にかかる資材の支払い、下請け業者へのサービスの支払いが後回しにされる事が多かったのです。

定期的に取り立てや催促の訪問があり、その度に女性の事務員(しかも会計担当)が対応をしていました。

このような待遇に耐えかねて退職した会計の後任として入社した男性が、なんと給与の遅配に怒って、会計のPCを持ってそのまま退職する自体が発生。

法律的には、給与債権は先取特権と言って、会社の他の債権よりも優先されます。

だから、今回のケースや極端とはいえ、給与未払いに対する対抗措置として具体的な現物を占有することは、違法でありません。(全ての場合に当てはまるわけではありません。)実際にこの会社では頻発していたことでした。

 

 

また、税務署での凄まじい駆け引きもあり、結局、会社への様々な入金日を税務署が察知し、全ての入金口座を凍結。割を食ったのは社員への給与の未払いという最悪の事態でした。
「自称ベンチャー、過重労働・賃金未払い・遅配・高い離職率」この5つがブラック企業の主な特徴です。

 

 

あと、給与明細には意味不明な項目があることも。特にほとんど実態のない社内の互助会や積み立て名目がある場合は要注意です。

特に正社員だとこの金額は他の非正規社員に比べて高く設定されています。実質的な福利厚生に使われている形跡は全くなく、私自身が、社長がその経費を他に流用している現場を目撃しました。最終的に、私が正社員として勤めたこの会社は、入社から約2年後に計画倒産をするのですが。(私もその機に乗じてブラック企業から無事に退職)

 

 

その後も名称を変更して(登記上、1日で元の名称に再度戻すので、社外からは全く倒産したとはわからないか、ほとんど見えにくい)通常に営業を続けていたようでした。

私の給与は当然未払い、内容証明郵便は過去の退職者の例から債権回収には意味がないと感じていましたが、その後の法的な手続き上は必要ということで深夜に郵便局から発送。

何とか給与全額を取り戻すことができました。しかし、この企業、地元では本当のミスターブラック企業と言われていただけあって、退職後も大きな爆弾を喰らいました。

 

 

何と私の雇用保険、年金、健康保険、本来会社が負担する分はおろか、私の自己負担分(給与から天引き)も、一切公的機関に対して支払っていなかったのです。時間が経って、市役所や公的機関から、ちゃんと支払うように「私に」請求が来たのです。

 

当然、本来会社がするべき作業を怠っていたということで、役所も納得はしましたが、さすがに職員さんも呆れ果てていました。

上記のように、一見、ベンチャー企業で元気があるように見えて、実質的に労働基準法を無視し、むしろ「法律の枠内にとどまることが会社の成長の妨げになる」という、誤った使命感を共有してしまうのが、このようなブラック企業のベンチャー版の特徴です。

 

これは中々見破るのが難しいところですが、入って初めておかしいと気づくことが多いと思います。入社前に自分で改めてリサーチするか、職業安定所でそれとなく職員に聞く事も出来ます。もちろん、最近でこそ制度的にブラック企業に該当する場合はその旨公表するか教えてくれるという流れになりそうです。

しかし、現状では、こちらからブラック企業か聞く事が出来ても、直接的に答える職員は稀です。しかし、状況証拠(大量に職安に常時求人を出しているなど)などから間接的に情報を聞き出す事は可能です。皆さんも、このような新手のブラック企業には気をつけてください。