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私の前職は塗料メーカーの営業職でした。中小企業の社長さんがメインの顧客でルート営業です。主に塗料を売り、塗料に付随した工事現場で使う商品を売る仕事です。

営業職はきつい。ノルマが厳しいと聞いていましたが、営業職未経験者が初めて飛び込んだ会社がブラック企業だったなんて、他の会社にいる今だからわかる話です。

私の課は課長、主任と私が所属しており、私は副主任という待遇でしたが、肩書きはとってつけたようなもので、対外的に何もないよりは何かあった方がいい程度のものです。社内での実際は肩書きのないただの平社員でした。

営業は常に上司である主任と同行するのですが、会話をすれば節々に出る主任の自慢が、家に帰らないことです。家に帰らないくらい俺は仕事を頑張っているという、上司や他部署、周囲へのアピールでしょうが、部下である自分から見ると、この人は単にブラック企業の社畜じゃないかと思うだけでした。

お客さんもお客さんです。中小企業すべてがブラック企業だとは言いませんが、土木建築という業界柄でしょうか。ワンマン・王様という表現がぴったりの社長さんの会社も数多くありました。
ある日代休で休んでいたところ、たまたま仕事の携帯の電源を入れっぱなしだったときのことです。当時の自分は電話が鳴ればとらなくてはならない!とパブロフの犬のようにしつけられていたので反射的に通話ボタンを押してしまいました。
今日は代休で休んでいる旨を話したところ、俺が働いているのにお前が休んでいるとはどういうことだ。と理不尽なお叱りを受けました。

そのことを後日主任に何気なく話したところ、代休なんてものをとる自分が悪いとのこと。俺は代休を取ったふりをして実はお客さんの元へ足を運んでいる。休みなんてなぜ必要なのか理由を言え。と主任からもお叱りを受ける始末。

主任と同じ道を歩めばいずれ自分もこうなってしまうのかと、ブラック企業での出世には絶望の将来しかありませんでした。
こういうことが重なっていったせいでしょうか。心療内科のお世話になることになり投薬を受けながら車を運転していたときのことです。眠気で事故を起こしてしまい、大事故にはならなかったものの、運転中の様子を課長に話さなければなりませんでした。

そこで心療内科に通っていることを打ち明けたのですが、課長からは薬を飲んで問題ないなら健康だろう。このまま仕事を続けるようにとの指示。もうこの時点でこの会社ダメだなと思いました。

ブラック企業はブラック企業を呼ぶと思い業界そのものから脱出。幸いにも営業職と言う事でつぶしが効いたのか、今の私は土木や塗料の業界を離れ、全く違う業界であの時のことを糧に仕事をしています。

同じ営業職でも会社が違えばこんなに違うんだなと実感しています。